リビングにギターの音が響いている。
ガムリンの休暇が決まって、家におじゃましているバサラ。
ガムリンは、ゆったりとソファに腰かけ本を読んでいる。
向かいに座ってギターを弾きながらガムリンの様子を伺うバサラ。
本に気持ちが持って行かれてるガムリン。
バサラはギターだけではガムリンの気が引けないと思い
歌い始める。
本に対抗意識が芽生えたのか。
最初は静かに、徐々に盛り上がって来た。
一番盛り上がり、自分でも気持ちよくなって来た所で
ガムリンがクスッと笑う。
盛り上がっている歌には気がつかずに、本の内容で笑っている。
(聴いてねーのかよ!!)
だんだん気持ちが昂ってくるバサラ。
(絶対、お前の気持ちを動かしてやる!!!)
昂りとは反対な、バラードを歌い始める。
ガムリンは、ん?っと顔を上げる。
バサラを見る。汗だくでバラードを歌っている。いい歌だ。
エアコンの温度を下げて、湿度を少し上げると
本を置いてバサラの歌に聴き入った。
バサラはそれを見ると、ふふんと口の端を少し上げて得意そうに
バラードを歌い続けた。
小話。
浮かんだので書いてみた。