ボロロ〜ンとギターを鳴らすバサラ。
遠い目をしながら、てきぱきと掃除をしているガムリンを見ていた。
「いつもレイさんがしてるのか?」
「わかんねー。」
「は?」
「気がつくと綺麗になってる。」
「……………。」
レイの事を聞かれたのでなんとなくレイの事を考える。
ふいにリメンバー16を口ずさんだ。
「その歌。気になっていたんだが、体験談なのか?」
「さあな。」
16才の頃、レイと二人シティの街頭で歌っていた。
人が集まる日もあれば、誰も見向きもしない日もあった。
見向きもしない日が続いたある日。
レイの心が折れかかった。
酒をしこたま飲み、公園で泣いていた。
「すまない……オレの力が足りんばかりに……。」
「客なんてどうでもいいじゃねーか。オレは歌えればそれでいい。」
「そうか………。」
見つめられてる気がして、レイを見る。
心底疲れた様な顔をしていた。どうしてやることも出来ない。
そんな想いが浮かんでいる様な顔だった。
レイに顔を近づけた。
レイが少し驚いた様な顔をしたが、バサラの顎に手をやり引き寄せ
キスをした。
レイの唇の柔らかさに驚き優しいキスに衝撃が走った。
もっと深いキスをレイとしたくて、体を寄せる。
が、スッとレイが離れた。
「ありがとな……なんか元気出たぜ。」
「………。」
ボーッとレイをみつめる。
「今日のキスは、酔った勢いだ。もうしない。すまなかったな……。」
なんで謝るんだろうと思いながら、ボーッとしたまま
レイを見つめ続けた。
「俺たちの夢は、1000年先までか。」
「そうだぜ。俺たちの歌を1000年先まで聴かせてやるぜ!!!」
フッとレイが笑う。バサラもニヤッと笑った。
「ふう。これでいいだろう。」
ガムリンが掃き掃除を終えて一息ついていた。
バサラはレイとの事を思い出しながらギターを弾いている。
「バサラ。綺麗になったぞ。布団………干した方が良さそうだな。」
ベッドの上でギターを弾いていたバサラをどかし、ガムリンが布団を引っ張る。
「これ、どこに干してるんだ?」
「あ?屋上。」
「よし、運ぶぞ。バサラ!掛け布団持って来い。」
「へいへい………。」
おわり
もっと詳しく16才の時の事書きたかったんだけど
浮かばなかったのではしょった感じになりました。。。。。
1000年先の未来まで自分たちの歌を聴かせ続けるのが
二人の夢だったりしたらいいなぁと思って書いてみました。
あーすっきりした。
もやもや2日間考えてたからすっきりしました。